ライスショック 日本の食糧自給率 〜その1〜

NHK HPより

ライスショック
あなたの主食は誰が作る
第1回 世界がコシヒカリを作り始めた

戦後日本の食を支えてきた「コメ」。中でも品質とうまさから、その頂点に君臨してきたのが「コシヒカリ」である。しかし、ここ数年、グローバル化が進む中、アメリカ・中国・台湾など世界各国が、この「コシヒカリ」素晴らしさに気づき、競うように大量生産に乗り出している。そして、今、こうした輸入米が、日本への逆流を始めた!!
食糧自給率が40%を切った日本。食糧安全保障上、凶作や天候異変などが起きた時、危機的な水準(40%)だと、指摘する声も多い。戦後、日本の自給率を支えてきた「コメ」。しかし、今年、日本のコメは、大量流入する輸入米と長年続く消費の低迷によって、生産者価格は暴落している。さらに、WTOやFTAなどの交渉によって、最後の聖域「コメ」を守ってきた「関税」等が下げられる方向に進む中、離農の激増、自給率の低下は避けられないとみられている。「ライスショック」第一回は、日本最大のコメ産地新潟と世界各国の「コシヒカリ」に、今何が起きているのかを徹底追跡し、グローバル化が日本の食に何をもたらすのか?食糧自給率40%をどう考えたらよいのかを、識者のインタビューを含め、考える。

日本の食糧需給率は39%。
実は、日本の自給率、先進国の中では最低。

さらに、年々自給率は下がっている。

このまま農産物の輸入が完全自由化されれば、食糧自給率は12%まで下がると政府は予想している。

自給率をかろうじて支えているのが米。日本人の食を誰が担っていくのか。

自給率低下の背景(食の変化)

米を食べなくなってきた
米の価格は年々下がっているにもかかわらず、販売量は減っている。
「いったい日本人は何を食べているのか?」というくらいの落ち込み。
日本人一人当たりの米の消費量はこの半世紀で、120Kgから60Kgに半減

自給率低下の背景(輸入米の増加)

1995年WTO(世界貿易機関)発足。日本が加盟したことにより、世界の米が日本に輸入されるようになった。(消費量の約1割を輸入)

自給率低下の背景(安い輸入食の流入)

価格競争の激化。食の安全よりも安さというニーズが増えてきた。
とある、給食会社。
価格競争に巻き込まれ食材が安い輸入品に頼らざるを得なくなった。味も遜色ない。
中国産の米を使うと年間で6000万円もコスト削減ができる。

その結果

緊急用の米を保管している国の倉庫
米の消費量の減に安い輸入米の増加したことにより、2年前から新潟産コシヒカリの一等米でさえ大量に余りここに置かれる事態となっている。今年(2007年放送当時)、23万トンがあまると予想されている。