政府系ファンド
この半年の間よく政府系ファンドという言葉を耳にする。
少しまとめてみた。
政府系ファンドとは、政府がお金を出して運営する投資機関のことで、国富ファンド(Sovereign Wealth Fund(SWF))とも呼ばれる。
2007年、アメリカサブプライムローン問題で欧米の金融機関が多額の損失を計上。ここに政府系ファンドが相次いで数10億から100億ドル近い出資をして一躍注目を集めた。
とくに、アブダビ投資庁による米大手銀行シティグループに対する出資は、75億ドルにまで及んだ。
設立の歴史
設立の歴史は古く、中でも中東系が老舗。サウジアラビア通貨庁は50年以上前からオイルマネーを運用している。中国や韓国については最近になって設立された。国の富を増やすという明確な意図をもって設立されている。
成り立ち(原資)はおおきく2つある。
原油高騰・貿易黒字などの余剰金を投資にまわしている。
出資先
ファンド名 | 出資先 | 備考 |
---|---|---|
アラブ首長国連邦ドバイのファンド | バーニーズ・ニューヨーク(米高級衣料品店) | ユニクロと買収合戦 |
アラブ首長国連邦アブダビのファンド | コスモ石油の筆頭株主 | |
中国のファンド「中国投資」 | ブラックストーン(米投資会社) | 07年9月に設立されたばかり |
政府系ファンドの不安要素
出資の目的が、長期投資ということだが、秘密のベールに包まれていることもあり不安要素がある。
- 基幹産業や代表的企業の買収もあるのではないか
- 投資目的が、運用益だけか?例えば外交のカードに使ってくるとか