個人破産 〜アメリカ経済がおかしい〜 その1

2003年にNHKスペシャルみたときに少しメモを残していたので・・。



世界経済を牽引するアメリカ。それは旺盛な消費。
クルーザも頭金さえあれば手に入る。

消費大国アメリカのもうひとつの顔が借金。
去年1年間で158万件。過去最高の水準。
借金で消費してきたアメリカ経済、それがおかしくなってきている。

ミニマムペイメント 〜より豊かな生活のために〜

アメリカタンパ。ピートハリスン 33歳。
ジャグジー65万。クレジットカードで購入。自分の収入以上の金額を借金で購入を繰り返している。3日に1回は高級レストランで食事をしている。その支払いもクレジットカード。借金は1000万を超えるが、返済は、毎月20万の返済しか支払っていない。

ミニマムペイメント
という独特のしくみを使っていた。
残りの2%を支払えば、残金は次の月に先延ばしできる。支払いの先送りを続けていた。

利益がたまったときに借金を返している。いずれ事業が成功したら借金がかえせると楽観的。

クレジットカードのミニマムペイメントについて

クレジットカードの請求書の2%程度を払えば、残りの支払いは先送りできるシステムです。請求額を、いつまでに払い終えないといけない、という期限はありません。2%程度を払えば、長期間にわたって、支払 いの先送りが可能になります。そこが、分割払いとの違いです。
カード会社によっては5%近いミニマムペイメントを設定したり、定額にしたりしているところもあります。90年代以降、クレジットカードの利用が増える上で(過去10年で残高は2.5倍になっています)大きな役割を果たしていると言われています。

ミニマムペイメント 〜生活水準を保つために〜

生活水準を保つためにミニマムペイメントを利用する人も

ファーマさん一家
子供の出産にともない稼ぎ頭が1人となった。現在の生活水準を維持するために、奥さんが復帰するまでミニマムペイメントを利用し、借金することにした。(ミニマムペイメントで借金を先送りにし、奥さんが復帰したときに借金を返済を計画)利用限度額を6万までとした。

借金を厭わないアメリカ人?

豊かな生活を目指して借金を。
このようなしくみは、半世紀前までさかのぼる。
隣の人が豊かな生活をすれば、自分たちも、そうして借金を厭わなくなった。
このころからクレジットカードの需要が増えてきた。


さらに、ITと株高。右肩上がりしかしらない若者たちは贅沢な暮らしが当たり前となった。

ところが、IT崩壊、イラク戦争でアメリカ企業は低迷。
こうした中で、アメリカの経済を引っ張るのはアメリカ国民の消費。借金を厭わない旺盛な消費はアメリカだけでなく世界の経済をも支えている。

不動産投資/リファイナンス

クレジットカードと並び、消費の原動力となっているのが住宅価格の上昇


アメリカのファームスプリングス
住宅価格の上昇。ゴルフ場に隣接する住宅地。高価格にもかかわらずすでに完売。
ほとんどの人が値上がることを期待した投資目的の購入。
過去5年で2倍以上の価格上昇。


住宅の値上がりは、さらに消費を促進している。
アーンゾード氏。
週末になると車で1時間くらいの砂漠にでかける。家族でサンドバイクを楽しむ。3台で160万。ことし買ったばかり。これは住宅の値上がりを担保に購入。
買った当初から10万ドル住宅価格が上昇、この上昇分を担保に借金した。

リファイナンスについて
住宅の値上がり分を担保に借金を借り替えることをリファイナンスと呼びます。住宅が値上がりしなくても、金利が下がったので、月々の支払いを減らすために借り替えることも、リファイナンスに含まれます。アメリカでは、住宅の値上がりをもとに新たに借金をする人が増えていて、それが個人消費の財源となっています。

借金を増やしてでも今を楽しもうとするのがアメリカ流。

生活向上より住宅価格を上げる人も

中古の家を購入し、リフォームすることで住宅価値を上げようとする。
これまで、自宅の価格を600万も上げた。
購入価格の倍にできれば、これを売って別の家を買うつもり。

不況となった今、残された投資先は家。

アメリカの資産状況(放送当時)と国民の借金

5年前(1997年)と比べた住宅価格の上昇。
全米平均30%上昇。


個人が所有する資産。

住宅など 株など
1997年 14.2兆ドル 35.0兆ドル
2002年 18.0兆ドル(+3.8兆ドル) 29.9兆ドル(-5.1兆ドル)

高騰続ける住宅市場。ミニマムペイメントの普及により利用額が増えるクレジットカード。
個人の消費がアメリカの経済を支える一方で借金は膨らみ続ける。
国民全体が抱える借金8.4兆ドル(1008兆円)。


続きはまた今度・・・。