アホとバカの境界は?
本棚を整理していたらこんな本がでてきた。
「全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路」
「探偵!ナイトスクープ」という番組でとりあげられた依頼が本になった伝説のネタ。
アホとバカの境界はどこにあるのか?調べてほしいという依頼。
私は大阪生まれ、妻は東京出身です。二人で言い争うとき、私は『アホ』といい、妻は『バカ』といいます。耳慣れない言葉で、お互い大変傷つきます。
ふと東京と大阪の間に『アホ』と『バカ』の境界線があるのではないか?と気づきました。地味な調査で申し訳ありませんが、東京のどこからどこまでが『バカ』で、どこからが『アホ』なのか、調べてください。
探偵(北野誠)は、東京から西に向かって、「バカ」→「アホ」の境界を探し始めた。
おばあちゃんとの会話。
「(略)おばあちゃんわかんないよ。今、いくつだと思う?」
「えーっと、22歳」
「バカ!」
と・・、こんな調子で。
ところが、途中名古屋での調査で「バカ」が「たわけ」に変わってしまった。
タワケなジャイアンツ、どうしようもねぇ。話にならんがな。
その後の調査で岐阜あたりでも「たわけ」を使っていることから、調査内容が「たわけ」と「アホ」の境界はどこか?にすりかわってしまった。
結局、バカとアホの境界はわからず。(ちなみに、「アホ」と「たわけ」の境目は関ヶ原あたりらしい)この中途半端な調査結果が、全国視聴者から情報を集めるきっかとなった。そしてついに、全国アホバカ分布図を作ってしまった。
一個人が調査をしようものなら、何年もかかっていたことが、全国ネットで高視聴率の番組ともなれば、短時間で情報を収集できる。当時のメディアの力(全国ネットの力)影響力に関心したことを覚えている。
で・・・、集めた情報を分析した結果。
京都を中心に同心円を描くようにことばが伝播していることがわかった。つまり、昔々トレンドの中心(?)であった京都で流行った言葉が全国に伝播したに違いない。ということのようだ。
後に調査結果は学会にまで発表。そして本にまでなった。(本ではバカ、アホのルーツにも迫っている)
言葉は生きた化石のようだ。