偶有性・セレンディピティ
フューチャリスト宣言読んでおもしろいとおもったことや、気になったことなどメモ的に残してみる。
- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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偶有性
ある事象が半ば偶然的に半ば必然的に起こること?
他の状態でもありえるのに、たまたまその状態でもある、という属性。
脳の神経細胞のネットワークは、半ば規則的でありながら半ばランダムな結びつきを持っていて、その組み合わせによって、いまのコンピュータには発揮できない人間の創造性というものを生む。その秘密の一端が、脳のネットワークのスモールワールド性*1にあるようだというところまで明らかになってきたと、我々は考えています。
その意味で、何億年の進化を経て出来上がった脳のシステムに相似する事象が、人間の作り出したインターネットにおおわれた「グローバルビレッジ」の中で生まれ始めていることには若干の脅威をいだいています。さらには、脳とインターネットの共進化といった事態が起こりかねないことに、畏れすれいだいている。
そのうち、あちら側の世界でインターネットという脳のもとコンピュータは自我に目覚めるのだろうか?
「偶有性」は脳にのって、とても重要な栄養なんです。人間の脳はつねに偶有的なできごとを探し回っている、ということもできます。
(略)
予測できないものが好きな人には、ネット以上の遊び場はない。自分がブログを書いたら、どんな人がコメントをつけるか、どんな人がトラックバックをつけるかわからない。そんな不確実さにあふれた世界なのですから。
(略)
だから、ネットはセレンディピティ(偶然の出会い)を促進するエンジンでもあると思う。
*1:一見遠く離れているものどおしでも、少数のノードを通して結ばれている性質