知のオープン化

早速一章を読んだ。

将棋の世界は、いくら新手を創造しても、それを特許や著作権で守ることができない。しかも誰かがどこかで一度指した手は、瞬時に伝達されて研究される。しかし、そんな「情報革命」が進行するこの厳しくて大変な時代も、皆で一緒に進化・成長できる良い時代と考えることができる、こういう時代を生きているからこそ将棋の真理の解明も早く進むのだ、そう羽生は認識しているのである。


~第一章 羽生喜治と「変わり行く現代将棋」より~

知のオープン化によって、将棋をより進化させる。さらに進化についていくために自分自身も走り続ける。とても大変なパワーが必要で決して楽ではない。


半年ほども前、羽生氏が出演する番組をみた感想を書いた。

とある世界のトップに君臨する人というのは、新しい強者の出現にある意味不安にかられながら、その不安を打ち消すためにさらに磨きをかける。そういう恐怖心との戦いというものだと思っていた。が、羽生さんは違っていた。

と思っていたが、

ここ10年は今までの将棋の歴史の中で一番変化が大きい時代。そのなかで、謙遜ではなく、自分自身は決してトップランナーではなかった。いかにして追いつき、新しい感覚を身につけるかに忙しかった。


~第一章 羽生喜治と「変わり行く現代将棋」より~

とあるように、王者ではなく挑戦者の感覚で望んでいたということか。

ますます、羽生氏に興味がわいてきた。