アメリカ発世界自動車危機 ~その3~

アメリカ発世界自動車危機 ~その2~ - Grab Tribbles 徒然なるままにの続き

国内への影響

トヨタはじめ、各社とも国内の販売台数を減っていく一方で、アメリカでの販売台数を伸ばしていった。2006年には国内販売とアメリカでの販売台数が逆転。

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アメリカ市場の崩壊により、日本の自動車業界も打撃を受けることになる*1


受注減は部品会社へ深刻な打撃を与える。

番組では、トヨタにインパネなどプラスチックの内製品を納入している会社が紹介されていた。

アメリカへの輸出を増やしてきたトヨタの高級ブランドの増産に対応するため、昨年(2008年)5月に九州新工場を立上げ、生産を始めていた。昨年度(2008年度)は過去最高益を記録していた。毎年増えていた受注に対応するために、日系外国人派遣社員を教育するなどして高度な技術もできるようになってきた。

ところが、昨年11月。部品の受注が突然減り始め、全体で1年前の3/4までになった。そのため雇用に手を付けざるを得なくなり、熟練の派遣社員の削減まで行った。


事業構造の転換

自動車会社各社は生き残りをかける切り札として電気を動力源とする自動車を投入。これによって自動車会社が抱えていた部品会社の淘汰と再編が始まった。


ガソリン車の3万点の部品が、電気自動車に変わることによって1万点が不要となるといわれている。例えば、ガソリンエンジンとエンジンを取り囲む冷却装置などのさまざまな部品。電気に取って代わるとそれらがほとんど不要となる。さらに、ガソリン車のように高温の熱を発しないため、金属をプラスチックに置き換えることが可能となる。

GMでは、次の時代のパートナーを発表した。韓国の電気メーカLGの関係会社、日本の日立。電池の性能を上げるために必要となる会社を新たなパートナとして選ばれた。これまでの部品会社との取引はどうなるかわからない、そう暗示するような発表。


そのような状況下で、とある投資家は、自動車メーカと部品会社の関係を壊すことで収益の向上を目指すとりくみを開始している。

続きはまた今度。

*1:国内自動車産業の業績悪化は輸出減だけでなく、急激な円高も要因の1つ