アメリカ発世界自動車危機 ~その2~

アメリカ発世界自動車危機 ~その1~ - Grab Tribbles 徒然なるままにの続き

自動車版サブプライムローンによって高級SUV車の売り上げを延ばしたGMだが、2001年の同時多発テロ・原油高騰などの煽りを受け、再び売り上げが落ちる。

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ここで、GMが頼ったのがまたも金融の力。それが「リース」。

GMACGMから車を購入し、客に車を貸す。車の購入代金から、数年後の下取り価格をあらかじめ差し引き、この残価で客にローンを組ませる。通常のローンと比べて少ない支払いで車を購入できる*1

番組で取材をしていたディーラでは、お客の実に80%がリースで車を購入していた(正確には借りていた)とのこと。この仕組みにより、リース期限(2年)毎に次々と高級SUV車が売れていった。

GMACはこのリースの債権までも証券化して投資家に売り出していた。


GMACの成長、そして凋落

GMACは自動車の金融子会社でありながら、住宅ローン事業にも進出し、サブプライムローンに力を入れていった。自動車メーカの子会社ながら進出して8年で全米5位の住宅ローン会社にまでなった。

GMACの利益は10年で3倍に急増。2004年に最高益を記録。

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こうして、GMは金融子会社に支えられながら、世界最大の自動車メーカとしての地位を保っていた。


ところが昨年(2008年)9月にリーマンショックをきっかけにバブルが崩壊。証券化した金融商品が売れなくなり、GMACのローン事業が行き詰った。サブプライムローンも次々と焦げ付いた。GMの金融事業に頼っていたシステムはウォール街の破綻と共に崩れた。


その破綻がGMだけでなく、裾野にある膨大な部品会社まで危機に陥れることになる。


そして・・・、

アメリカ市場の崩壊により、日本の自動車業界も影響を受ける。

続きはまた今度。

*1:日本でいうとこの残価設定ローンのようなもので、トヨタなども取り入れている。