屋上緑化

テレビで屋上緑化をビジネスとしている会社が紹介されていた。ちょっと屋上緑化について調べてみる。


都市では年々平均気温があがり、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。最大の要因は緑による大気の冷却作用の損失と考えられている。

条例による緑化促進

各都市部の自治体では屋上緑化や壁面緑化を促している。東京都では2001年4月より、一定基準以上の敷地(民間施設の場合は、1,000?以上、公共施設は250?)における新築・増改築の建物に対する緑化を義務付けることを条例化した。(東京における自然の保護と回復に関する条例)
緑化が必要な広さは、地上の場合、敷地面積から建築面積を引いた面積の2割。屋上は貯水槽や空調危機など必要な施設を除いた面積の2割もしくは3割。


下のグラフは、都に提出される緑化計画書(毎年約1,000件の提出あり)に記載される緑化面積(年毎)とその累積。

出所:http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/green/shyukei/okujyoryokukasyukei.htm
※緑化計画の計画書の数字。実際の施工面積と異なる。
※屋上等緑化面積には壁面緑化、ベランダ緑化も含まれる。

屋上緑化の課題

重力に関する制約がある。ビルの屋上は建築基準法で積載量が180Kg/?に耐えられる構造にすることを義務付けている。自然の土を使うと以外に重く基準を超えてしまう。

出所:日経ビジネス2000年11月27日号


TVに出ていた会社では、軽量化した土を開発。さらに土台に凸凹状の発泡スチロールをつかって、植物を植える部分のみ土が盛られるよう工夫。


その結果通常の土に比べて約1/3まで軽量化できたとのこと。水はけについても通常より格段によく屋上緑化に一役かっている。
下の写真は同じ量の水をいれたときにどれくらいのスピードで水が通るか比較実験したもの。右側がダントツにはやかった。


ただ、屋上緑化に関する技術は、それほど新しいものではなく大手ゼネコンでは1990年前後からとりくんでいるそうだ。そのため、追い風とはいえ、各社の参入による価格競争で利幅が少なくなる可能性も否定できない。


今回TVに出ていた会社は、社員が必要となりそうな資格を自主的に取得し顧客のニーズに応えられるようにしている。樹木医の資格をもっている人もいるようだ。本当に人のために役立たいという気持ちがあるんだろうなぁ。

効果のほどは

東京の平均気温を確認してみた。

東京都9月平均気温(出所:気象庁 http://www.data.jma.go.jp
下がるどころか気温が上がっている。屋上緑化以上に、熱放出しているんだろうなぁ。