食料自給率の計算方法

食糧と食料

食糧と食料の違いがわかっていなかった。

「食糧」は米など主食を、「食料」は食べ物一般を意味する。

以前の日記は、米が中心だったから食「糧」自給率でも、まぁいいか。


食料自給率アップ

食料自給率が13年ぶりに上昇した。主な要因としては、米の消費量が増えたこと。輸入小麦の高騰で米が見直されたこととなったようだ。


食料自給率の計算方法

ホー先生 自給率って、どうやって計算するんじゃ。

 生産額やカロリー(熱量)などのとらえ方があるが、通常は食料を摂取エネルギーとみて、カロリーベースで議論している。07年度に供給された食料を国民1人1日あたりに換算すると2551キロカロリー、うち国産が1016キロカロリーだったから、自給率は40%になるわけだ。


2008/9/3 朝日新聞「ニュースがわからん!」

農林水産省のHPの資料によると、食料自給率には、

  1. 供給熱量総合食料自給率の計算方法
  2. 生産額ベースの総合食料自給率の計算方法

がある。*1

下図は熱量ベースの自給率。(出所:農林水産省

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下図は2003年の食料自給率の各国との比較(出所:農林水産省)。国際的にみると日本の低さが際立つ。

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国産でも自給率にカウントされない

ホー先生 スーパーには国産の肉や野菜がたくさんあるが。

 国内で生産されれば「国産」と表示される。だが国産肉の飼料はほとんどが輸入なので、例えば豚肉では国内流通量の5%が国産飼料だけで生産された計算になり、自給率は5%とされる。野菜も、輸入野菜は業務用や加工食品に使われることが多く、消費者にはわかりにくい。


2008/9/3 朝日新聞「ニュースがわからん!」

「国産」と表記されていても100%が自給率に含まれない。つまり、豚や牛の国籍は自給率に直接関与しないということだ。

上記豚肉、輸入豚肉:48%、国産豚肉:52%、国産のうち、国産飼料を使用しているのは10%。

よって、自給率=52%×10%=5.2%

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2008/9/3 朝日新聞「ニュースがわからん!」


国籍が血統書付き(?)の純国産、でも飼料が外国産だと自給率にカウントされない。とてもややこしい。。。


自給率にカウントされているが、実は・・・

逆のパターン。自給率の計算式に労働力は含まれない。日本の国土で外国人の手によって作られるものは自給率の対象となる。


八ヶ岳レタス。国産レタスの作り手は外国人の手を借りて栽培している。

レタスの栽培に必要な人手(労働力)となると、日本人だけでは対応できない。頼るのはアジアなどから日本の農業技術を学びにやってくる研究生が実習生だ。

 レタス栽培は人海戦術による作業が多い。(略)かがみっぱななしの作業は辛く、日本の学生アルバイトは一日も持たずに畑を去ることもざらだ。(略)xxさんは、数年前からフィリピンの研修生の力を借りている。(略)

 八ヶ岳での光景は特殊なものではない。日本の大半の畑でごくありふれた風景になっている。日本は農業問題がネックとなって、EPA(経済連携協定)、FTA自由貿易協定)の交渉が足踏み状態だが、日本の農業は海外からの力に支えられているのが現実なのだ


日経ビジネス 2008年6月16日号


農林水産省の食料自給率アップのための消費者啓発

平成27年度(2015年)までに、食料自給率をカロリーベースで45%に、生産額ベースとして76%にすることを目指して!という目標を掲げている。

そのために消費者への啓蒙活動に躍起となっている。

料理ごとの自給率を計算できるソフトが公開されえている。(クッキング自給率 料理自給率計算ソフト)その日の献立を入力すると自給率が表示される代物らしい。

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よっぽど意識のある人でないと、いちいちパソコンで計算、というのは面倒。携帯上で動作するアプリだったら、買い物しながら手軽で便利かも。


パンフレットもあった。

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結構読みやすそうなので一度家族と読んでみよう。

*1:その他、「品目別自給率」、「穀物自給率」、「主食用穀物自給率」の計算方法があるそうだ。