仕事の5力

仕事の「5力」

仕事の「5力」


日経ビジネス

2008年5月19日号紹介

ベストセラーを斬る

あらゆる仕事に共通する「聴く・考える・話す・書く・時間管理」という5つの基本力を再認識せよと強調するのが、『仕事の5力(ご ぢから)』だ。著者は自己啓発本で披露される考え方に納得している読者に対して「実際にその教えを実行できているか」と問いかける。そして「人と対面したら、小さな深呼吸をして『聴くモード』に切り替えろ」などと、理屈で終わらない実行マニュアルを示す。


Amazon書評

Amazon.co.jp: 仕事の「5力」: 白潟 敏朗: 本

9割の人ができてない!

1.【聴く力】...→「話し手の心を開く聴き方」ができる

2.【考える力】→「ロジカル・シンキング」ができる

3.【話す力】...→「説得力のある話」ができる

4.【書く力】...→「伝わる文章」を書くことができる

5.【時間力】...→「仕事をスムーズに進める」ことができる

この「仕事の5力(ごぢから)」はすべての仕事の基礎となる力で、仕事ができない人は、やはりこの「5力(ごぢから)」が身についていないことが最大の原因となっている。


メールマガジン

ビジネス選書

できる人の5つの基礎力

【1】

本当に仕事ができる人というのは、どんな人なのだろうか?それを考えるときに参考にしたいのが、京セラの稲盛和夫会長が発案した「人生・仕事の方程式」というものだ。

この方程式のキモは、「足し算」ではなく「掛け算」だというところだ。公式にすると「考え方」×「熱意」×「能力」=「人生・仕事の結果」となる。

考え方には、プラスとマイナスとがある。どんなに熱意や能力があっても、考え方がマイナスだと答えはマイナスとなり、結果はゼロどころかマイナスになってしまうのだ。

船井総合研究所船井幸雄会長は「伸びる人財の3条件」として次の3つを挙げている。「素直さ」「勉強好き」「プラス思考」だ。プラス思考は、仕事をするうえでもっとも大事な基礎力なのだ。

ビジネスパーソンの能力を表す「人財能力モデル」は、ピラミッドだ。一番下に来るのは「基本的な考え方」だ。船井氏の挙げている「素直さ」「勉強好き」「プラス思考」がこれにあたる。

その上に来るのが「熱意」だ。さらに、その上に「基本的なスキル」がくる。そして、その上に「専門力」、一番上に「マネジメントスキル」が位置するのだ。


【2】

これらのうち「基本的なスキル」が全ビジネスパーソンに共通の、最も大切なスキルだ。「聴く力」「考える力」「話す力」「書く力」「時間力」の5つだ。これを「5力(ごぢから)」と呼ぶ。

「聴く力」とは、話し手の心を開く聴き方ができる力のことだ。「考える力」とは、「ロジカル・シンキング」ができる力だ。「話す力」は、説得力のある話をする力だ。

「書く力」は、読み手に伝わる文章を書く力。そして「時間力」とは、仕事をスムーズに進めることができる力のことだ。これらの5力はどうすれば身に付くのだろう?


【3】

書店に行くと、ビジネス書のコーナーには「聴く力」「アイデア力」「人をひきつける話し方」「論理的な書き方」「タイムマネジメント」「論理的な話し方」などの本が、所狭しとならべられている。

いずれも5力を養うために書かれた自己啓発本だ。私も仕事柄、こうした自己啓発本をよく買って読んでいる。読めば「思わず納得」ということが書いてある。

だが、本を読んだだけでは、なかなか実行できない。理由は、書いてあることを実行に移す方法が確立されていないからだ。実行方法が確立されていないアイデアはどんなに素晴らしくても意味がない。

「いい話だったな」で終わらないためには、簡単に実行できるノウハウを知ることだ。そして、それを実際に活用してみることだ。


【4】

ノウハウは、シンプルでなければならない。具体的には、次のような条件を備えている必要がある。すなわち「かんたんに実行できる」「楽に継続できる」「みるみる成長できる」の三つだ。

私は、こうしたしかけを開発し「シンプルしかけ」として、セミナーや書籍で紹介している。ぜひ、気に入ったシンプルしかけを選び、実際に試してみてほしい。

やってみたら「ちょっとうまくいった!」と思えることもあるはずだ。こうした小さな成功体験をどんどん積み重ねて欲しい。小さくても成功体験があれば、「もっとやろう!」と進んで動くものだ。

やがて、それが自然に継続できるようになる。そうこうするうちに、本当の力が身に付いていくのだ。

「自分にもできそう!」と思えることは、とても大切だ。ひとつのシンプルしかけをマスターしたら、また次のシンプルしかけにチャレンジすることだ。こうして、小さな成功をためていくべきだ。

成功の貯金を、どんどん増やして欲しい。そして「気がついたらみるみる成長していた」といった具合に展開するべきだ。そうすれば、いつかあなたは、きっと「できる人財」になっているはずだ。